一子相伝の味、元祖のおもてなしの誇り。

食するものの基本は味でございます。

材料の吟味の具合、漬ける頃合や腕のたしかさ、

……すべては味が寡黙に語りかけます。

それにこたえて下さるご愛顧の程を、

いつも私どもの励みにして、

漬物創始より三百余年、

しつらいを構えてより百五十余年を経て今も尚、

かたくななまでの伝承の一徹を

自負をもって続けております。

あくまでも皆様との心の通い路を大事に、

真摯に営み続けること。

その極みにしか生まれない味を、

かもし続けること。

一子相伝の味、元祖の誇りでございます。

阿己雪のあゆみ

三百余年前、東海道有数の宿場町として栄えた岡崎の地に、諸大名のお立場を開業したのが弊店の始まりでございます。

往時より、創意をこらした漬物を食膳に添え好評を博しておりました。

明治の初め、開化とともに名古屋に進出を図り、七代目が料亭を長島町に、漬物店を広小路に専門店として開業致しました。

その後、町の趨勢に応じて現在の地に店舗を構え、阿己雪漬物店としては五代目の当主が創業以来の伝承の味をたしなみ続けております。